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導入事例

【自治体事例】竹田市多文化共生ビジョン会議——IDGsが可視化した、地域の内側にある力

外国人在留者が令和4年から7年の間に倍増した大分県竹田市。人口は25年後に現在の半数を下回ると予測される中、「多文化共生」は単なる理想ではなく、地域の存続に関わる切実な問いになっています。

竹田商工会議所は、立命館アジア太平洋大学(APU)上原優子ゼミとの産学連携のもと、この問いを地域全体で考える場として「多文化共生ビジョン会議」を開催。竹田市役所・市議会・自治会長・受入企業・日本語講師・大分県など、多様なセクターの参加者20〜40名が集まりました。ファシリテーターとして内田奈及子が、IDGsを用いたワークショップを担当しました。

第一部:現場の声が、問いになる

竹田商工会議所専務理事による基調報告では、これまでの多文化共生への取り組みと、これからの課題が共有されました。続いてAPU上原ゼミによる8月のフィールドワーク報告。受入企業や技能実習生の現状が、データと生の声で届けられました。

参加者からは率直な反応が生まれました。「2050年、竹田市の人口は今の半分になる」「外国人が増えた実感はあった。毎日前を通るのでいつか話をしたいと思っていた」——数字が現実として腹に落ちた瞬間、会議室の空気が変わりました。

第二部:IDGsワークショップ——3つのテーマで段階的に対話する

8つのテーブルに分かれ、3つのテーマで順次対話を重ねました。

テーマ1「第一部の感想や意見——共感したことや気づきを話す」

第一部で受け取ったものを言葉にすることで、参加者それぞれの関心と問いが浮かび上がりました。「学生たちの意見がすばらしくてびっくり」「課題解決は当事者の本気度にかかっている」——世代や立場を超えた気づきが、次の対話の土台になりました。

テーマ2「竹田市のビジョンの共有——竹田市の未来を思い描く」

「竹田市が日本の多文化共生の見本となる」「『人材』ではなく同じ人間として交流したい」「外国人と日本人の子供が一緒に生活する」——参加者が描いた未来は、制度の話ではなく、日常の温かさへの願いでした。大きな危機感と、それに負けない希望が同じ場に宿っていました。

テーマ3「アクションプラン——小さな一歩から始める行動計画」

最も多くの賛同を集めたのは、「地域住民への多文化についての説明会(6名)」。続いて「毎日前を通るのでいつか話をしたい(5名)」「一緒にカラオケに行く(5名)」「地域行事に外国人を誘い出す(5名)」。壮大な制度論ではなく、挨拶・声かけ・ご飯・カラオケという身近な一歩が、参加者の心を動かしました。

IDGsが可視化したもの

この会議の特徴は、対話の後にIDGsの5つのカテゴリー分析を行ったことです。「満足した」「良かった」という感想で終わらせず、何が育ったのかを数値で可視化しました。

カテゴリー平均点
Relating(つながりを意識する)4.29点 ★最高
Acting(行動する)3.85点
Being(自分のあり方)3.77点
Thinking(考える)3.76点
Collaborating(協働する)3.45点 ★最低

Relatingが最高点を示したことは、竹田の人々が「つながりたい」という意識をすでに強く持っていることの証です。一方Collaboratingの低さ——特にコミュニケーション3.10点——は、「つながりたいのに、一緒に動く仕組みがない」という構造的な課題を指し示しています。

「外国人が増えた実感はある。でも、声をかける場がない」。この感覚は、数字になって初めて、具体的な次の一手へとつながります。

対話から見えた竹田の可能性

最も注目すべきは、参加者の多くが外国人を「労働力」ではなく「地域の一員」として受け止めていたことです。この基盤的な意識があるからこそ、今後の具体的な取り組みが根付く可能性があります。

「竹田市を、日本の多文化共生のロールモデルにしたい」——この言葉に5名が賛同しました。一つの対話の場から生まれた言葉が、地域のビジョンになっていく。それがIDGsファシリテーションの力です。

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