マサチューセッツ工科大学 スローン校 経営学部上級講師であるC・オットー・シャーマー博士のU理論は、組織や社会の変革に焦点を当てた理論で、深い学びと変化のプロセスを「Uの字型」の曲線で表現しています。
U理論においては、外的な状況に影響を与える行動は、個々人の内面から生じているものであるという視点から内面の変容に基づくイノベーションの実現を重視し、内面の変容を外的な変化へと繋げていくためのプロセスと実践法の原理原則が体系化されています。
内面の状態はつねに変化し続けるので、その瞬間瞬間の内面意識の質を高めていくことで、メタ認知から自らの変化に働きかけることで、外的な状況にへの影響を肯定的なものに変化させていくことができます。
U理論の4つのレベルと7つのステップ
U理論ではその内面の状態をソーシャル・フィールドの4つのレベルで表現し、時間の変化によってどのようにイノベーションの実現可能性を高められるかをプロセスとして示しているのが7つのステップです。
7つのステップは、Uのカーブでまず左側のUを下り、底にたどり着くまでの最初の4つのステップを意識変容、右側のUを上がる3つのプロセスを行動変容として示されています。
近年の課題解決が困難を極める中、世界中でミクロレベルでもマクロレベルでも増え続けている問題の背景には、3つの複雑性が存在していると指摘しています。
ビジネスの世界でも、複雑性は極まり続け、これまでのあたりまえでは通用しないと多くの企業が模索する中、イノベーションのプロセスを革新的に解き明かしたのがU理論です。